ポリウレタン弾性繊維
ポリウレタンとは、ウレタン結合を有する重合体の総称で、通常イソシアネート基と水酸基を有する化合物の重付加により生成されます。
ウレタン(-NH・CO・O-)が介する結合をウレタン結合と言います。
ポリウレタンは、添加物の配合やその度合によって、硬度や伸度が違います。
ゴム紐に使用されるのは、最も伸びの大きくて柔らかいポリウレタン弾性糸です。(約4倍以上伸びます。)
ポリウレタン弾性繊維の英語表記は?
ポリウレタン弾性繊維の英語表記は、polyurethaneです。
英語での略称は、PUです。
「スパンデックス(spandex)」とは、ポリウレタンのアメリカ(米国)での一般名称です。
スパンデックスは、ポリウレタン弾性繊維の一般名称です。
スパンデックスは、expand(伸びる、広げる、展開する)が語源です。
「エラスタン(elastane:英語)(elastin:イタリア語)」とは、ポリウレタンの欧州等での一般名称です。
エラスタンは、おもにヨーロッパで使われる名称で、ポリウレタン(スパンデックス=アメリカでの一般名称)のことです。
素材としてのエラスタンの表記は、ストレッチ性のあるイタリア服などで「EA」という表現されています。
日本の家庭用品品質表示法では「ポリウレタン」と表示します。
ポリウレタンが、正式名称です。
ポリウレタン系合成繊維は、アメリカの一般名称では、「スパンデックス(spandex)」と呼ばれていますが、日本の家庭用品品質表示法では、「ポリウレタン」の用語を用います。
(欧州等では、エラスタン繊維と呼ばれることもあります。)
(天然・合成ゴムは、繊維ではないので、品質表示をしません。)
(繊維とは、鎖状高分子からなり、結晶質・非昌質が経方向に配向しているものをいいます。)
(太さの単位は、長繊維なので、デニール;d、または、デシテックス;dtex を使います。)
製造原料や製造方法により様々なタイプがあります。(添加物によって物性も微妙に変わります。)
製造方法は、湿式紡糸法、乾式紡糸法、溶融紡糸法があります。
ポリウレタンは、伸縮性が大きく、ゴムのように5~8倍伸びますが、レギュラー糸の場合、天然ゴム糸のようなキックバックはなく、ゆるやかに縮みます。
ポリウレタンとスパンデックス、エラスタンは、国によって呼び方が違うだけで、中身と成分・組成に違いはありません。
(ポリウレタンの添加物の量や割合は、微妙に違うかもしれませんが、、)
日本での正式名称は、ポリウレタンです。
融点は、約200℃~230℃です。
ポリウレタン弾性繊維の比重、水分率は?
比重:1.0~1.3
水分率:0.4~1.3%
ライクラ(日本国内での旧名称は、オペロン)やロイカは、商標名です
日本では、現在、(商標名は、ライクラ(LYCRA):旧商標名は、オペロン(OPELON))と(商標名は、ロイカ(ROICA))というポリウレタン弾性糸が数多く使用されています。
インターネット販売では、通称として「オペロン織ゴム」とか、「オペロン平ゴム」という商品名で販売している店舗もありますが、あくまでも通称です。
正式名称ではありません。
ポリウレタン弾性繊維の特徴
天然ゴム糸は1本のゴム糸であるが、ポリウレタン弾性繊維は長繊維です。(マルチフィラメントです。)
天然ゴム糸に比べて太さの細いものを製造できます。(天然ゴムに比べて線強度が大きいです。)
天然ゴム糸に比べて紫外線や熱には強く、ドライクリーニング対応です。
染色が可能です。(ただし、色落ちや移染に注意してください。)
天然ゴム糸の数倍の強度があります。
塩素に触れると黄変や脆化をします。(長期間の紫外線照射でも黄変します。)
(プールで水着などのスイムウェアを使用した際は、着用後、できらだけ早く水洗いしてください。)
天然・合成ゴム糸に比べて高価です。
天然ゴムに比べてキックバックの力が弱いです。(伸ばすとゆっくり戻ります。)
ポリウレタン弾性繊維の用途
単独で使用せず、多くの場合(ゴム紐・織ゴム・編ゴム・ジャガード織ゴム等の平ゴムベルト)、ポリウレタンを芯にして、ナイロン、ポリエステル等の糸を巻きつけた、カバーリングヤーン(フィラメント・ツイスティッド・ヤーン、FTY)として、数%~十数%の混率で使用されます。
(コアスパンヤーン:CSYや、プライヤーン:PLYとして使用する場合もあります。)
(コールゴム(平ゴム)や丸ゴムでは、ポリウレタンは、ベア(裸:糸をカバーリングしません)で使用されます。)
スポーツウエアやカジュアルウエア、ライトなウエア、下着等の生地や平ゴムに使用されています。
時代の流れで、ストレッチウエアが流行っているので、ストレッチジーンズなどにも多く使用されています。
ポリウレタン弾性糸と天然ゴム糸(ラテックス)の違いについて
ポリウレタン弾性糸は、天然ゴム糸に比べてキックバックの力が弱い。(戻り:回復のスピードが少し遅い)
ポリウレタン弾性糸は、天然ゴム糸に比べて線強度が強い。(同じ強度の場合ポリウレタンの方が細い)
ポリウレタン弾性糸は、天然ゴム糸に比べて耐熱性がある。(アイロンの高温の履歴後でも物性変化無し)
ポリウレタン弾性糸は、ドライクリーニングOKである。(天然ゴム糸は不可)
ポリウレタン弾性糸は、マルチフィラメントである。(ミシン縫製でも糸切れの心配は無し)
まとめ
スパンデックス(spandex)やエラスタン(elastin)は、ポリウレタン弾性繊維の一般名称です。正式名称は、ポリウレタンです。
ライクラやオペロン、ロイカなどは、ポリウレタン弾性繊維の商標名です。
オペロンは、ライクラの日本国内での旧商標です。
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この記事は、㈲津田産業直販部社員で、セミリタイアおじさんの越野勤が書きました。

越野勤(こしのつとむ)は、石川県かほく市にある1935年創業で88年の歴史のゴム紐製造販売の有限会社津田産業直販部(かほく支店)の営業部長・問合せ担当で、サイト運営者・著者・ゴム紐のゴムプロ:gomuproです。
年齢は66才です。(2023年現在)
1980年に信州大学繊維学部繊維工学科卒業で、大学時代の4年間は、糸や繊維、ゴム紐、織物・編物・製紐・染色・プリントの勉強をしました。広幅織物製造工場で、撚糸、整経、製織等。細幅織ゴム、編ゴム製造工場でカバーリング、生産、染色、品質管理、生産管理、在庫管理の作業等。製紐工場で製紐を学び、営業、インターネット販売をするなど、約50年間ずっと、繊維業界で企画・製造・販売・マーケティング(販促)の仕事を経験してきました。
現在、㈲津田産業直販部でゴム紐の企画、製造販売、マーケティングを担当しています。(約5年間)
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